人を成長させる言葉とは。

調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論を読みました。そこに、斉須さんが調理場にかけてある言葉から感じたことについて。

 

一、至誠に悖(もと)るなかりしか
一、言行に恥ずるなかりしか
一、気力に欠くるなかりしか
一、努力に憾(うら)みなかりしか
一、不精に亘るなかりしか

 

自分に問いかける、なんともよいことばだな、と思います。

特に、  努力に憾みなかりしか。

これは、自分を律するというよりも、そっと自分を反省する言葉ですね。

あと一歩の努力なのに、気持ちが緩んだり、めんどくさい!が勝ってしまったり、できないことがあります。

そんなときに、この言葉で問いかけてみれば答えが返ってくると思います。

 

重要なのは、努力してないじゃないか!しろよ!というやるべき正しいことの押し付けではなくて、「それでいいの?」という問いかけの形であることです。

押し付けの意見や標語は、心には刺さらないし、行動も変わらない。一方で問いかけの言葉は、自分が能動的に答えを出そうとするものなので、心に留まり、行動が変わってゆく。

人を変えてゆく、成長させてゆくのは、押し売りの標語ではなく、問いかけの言葉なのではないか。自分にも他人にも、問いかけていきたいですね。

 

言葉の出典を調べていただくとわかるかと思いますが、こういう組織で押し付けでない標語は意外でした。(正しい価値観を植え付けるものだとばかり…思ってました)

そう考えると、人が成長することの根本はいつの時代も変わらないのかなと。

 

小学校の標語とは反対ですね。

 

勉強しましょう。

なかよくしましょう。

優しくしましょう。いい人になりましょう。

いじめてはいけません。

 

勉強して、意味はありますか?

仲良くして、よかったですか?

優しくすることは、いいことですか?

いじめっこになってみて、どうでしたか?よかったですか?

 

すごく穿った見方のようですが、こういう風に考えるのが大切なんじゃないかとおもうこの頃です。

 

そう考えると、周りには問いかけをくれる人が多くいることに気がつきました。問いかけをもらったら、大切にして自問自答します!

 

だらだら書きましたが、それではまた。