食戟のソーマから読み取る勝負哲学

食戟のソーマ第1巻を読んだ。1巻だけの中途半端な読み方ですが思ったことがありましたのでメモ。

ソーマ(主人公はそのへんにありそうな定食屋の息子。料理は美味しいが、なぜか不味い料理も作ってみて食べてみる(趣味なのか?)父親の料理の味を超えたい。(でも父親から料理学校に通わされる

えりなさん。ライバル??小さな頃から最高級の料理を試食し、味をみてきたエリート料理人。味覚が鋭敏で、料理の味がイメージで映像化される。

1巻読んだだけではこんな感じでした。

が、この食戟のソーマの主人公とライバルの考え方の対比に明確な勝負哲学が潜んでました。

えりなさんは完璧主義、エリートなのでもちろん失敗なんていたしませんし、授乳中にコクが足りねえとダメ出しする、料理人としても家柄も能力もまさにサラブレッド。

一方、ソーマは美味しい料理も作るが、激不味い料理もあえて作り、食べさせる。失敗から新しい料理を次々と生み出していく。

 

この2人の対比は、プロゲーマーの梅原大吾さんの「勝ち続けるための意志力」で書いてあった「勝つこと」と「勝ち続けること」の違いが明確に対比され表現されていました。

「勝つこと」…あるひとつの勝負・試合に勝てればいい。10点満点の8点とれればいい。過去のセオリーを学び、要領が良く、失敗はしない。(いわゆる優等生、完璧なタイプ)勝つための一番の近道をいくが、9点、10点にはあがれない。(=イノベーションは起こせない)

「勝ち続けること」…一つの試合の勝ち負けが重要なのではなく、勝ち続けることが重要、そのためには自分自身が成長し続けなくてはならないが、成長のためには失敗を重ねなければならない。セオリー通りに要領やるのではなく、愚直なまでに失敗と改善を重ねて、実力を積み重ねていく。そうして積み上げた実力が、勝ち続ける力となり、10点満点の世界で、10点、12点をうみだすことができる。

そして、プロの世界ではその10点を出せる者が、勝ち続けていく。というのが梅原さんの考えでした。

こう考えると、当然、ソーマが「勝ち続けていく」のでしょうね…。

 

学校教育では、ここでいう「勝つこと」に評価基準がおかれており、「勝ち続ける」ために試行錯誤をする余白が与えられていないのではないかと思う。

「すぐに」「はやく」結果を求めることにより、我々は無限大の可能性を捨て去って、効率的な結果を出そうと必死になっているし、みんながそれを求めている。

それが正しくないというわけではないが、そうでないことにも目を向けたい。

これまでよかったことや、よかったやり方は、いつか古くなるだけなのだから。

だから失敗しても責められることはないし、それは一歩ずつ踏み出しているという証明なのだと思う。

 

失敗することなしに、勝ち続けることは不可能であるという勝負哲学。

みんな、ソーマに学ぼう。

 

それでは、これにて。